シェイクスピアの四大悲劇の一つであるこの作品は、ヴェルディが作曲し、完成するまでに7年もの歳月がかかったという。その「OTELLO」に果敢に挑戦したのは、熊本に新しく生まれたオペラ団体「コラーレ・ヴェルデイkumamoto」である。初公演の演目にしては重厚な作品であるが、この団体のオペラにかける熱い思いが伝わってくる公演で、大成功であった。
熊本には、「熊本オペラ藝術協会」「熊本シティオペラ」「テアトロリリカ」と、市民によるオペラ団体がそれぞれ個性的にかつ活発に活動しており、熊本における市民藝術力の高まりをひしひしと感じているところであるが、その中で、さらに新たなオペラ団体が生まれ、また、実行委員として立ち上げに携わることで少しは藝術を育む行動に参加でき、大変嬉しく思っている。
「総合芸術」と言われているオペラ。音楽関係者はもとより、演劇、バレエ、その他100名を超える出演者がいる。その日頃の活動や練習は「表現舞台」でもあり、「藝術都市・くまもと」を願う私たちにはさらなる喜びである。
幕が下り、舞台に残った出演者の下にイタリア文化会館のドナーティ館長が駆けつけていた。指揮のマストランジェロ氏をはじめ、皆で喜び合った。立ち去る時、ビアンカ役の方が私に駆け寄り「わかりますか?」と訊ねてきた。「…あっ!!」その方は、県立劇場文化事業委員会でお世話をされている松岡さんで、2000年劇団0相(ゼロソー)の旗揚げメンバーでもあり、その後はゼロソーの全ての公演に出演されているとのことだった。
動けば、活動する人とこのように出会える喜びを感じた夜でもあった。今回の主宰者の岩本貴文さんと「コラーレ・ヴェルデイkumamoto」にエールを贈り、「藝術都市くまもと」創りを皆でしようと強く思った。